「伝えたい」という衝動は、なぜこれほどまでに聴く者の胸を締め付けるのか。「伝言歌」の歌詞を紐解くと、そこには飾り立てられたポエジーではなく、生々しいまでの人間味が溢れている。伝えようとすればするほど言葉は喉に詰まり、溢れ出た感情だけが溢れ出す。片岡健太が綴るフレーズは、誰しもが経験したことのある「素直になれなかった瞬間」を鮮烈に呼び覚ます。
日本のJ-POPシーンにおいて、ストレートな愛や感謝を叫ぶナンバーは数多い。しかし、本作が邦楽ロックの文脈で一線を画すのは、その「もどかしさ」そのものを祝福している点にある。うまく言えなくてもいい、声が震えても構わない。大切なのは、想いを届けようと足掻くその姿勢なのだという力強い肯定が、歌詞の行間から溢れ出している。