教育工学の第一人者であり、国の教育情報化施策を長年牽引してきた東京学芸大学大学院の堀田龍也教授は、急速に進むICT化のなかで本質を見失わないことの重要性を強く指摘する。スマート化の目的は決して「最新機器を使うこと」そのものではなく、子どもたちがこれからの予測不能な社会を生き抜くための資質・能力を育むことにあるからだ。
堀田教授が強調するのは、教員の役割の転換だ。教員が黒板の前で知識を一方的に伝える「教え手」から、子どもたちの対話や探究をファシリテートする「伴走者」へと進化しなければ、いくら高性能なシステムを入れても学習効果は上がらない。デジタルを文房具のように自然に使いこなしながら、実社会の課題を自ら見つけ、他者と協働して解決策を導き出す――そんな深い学びを実現するための指導力向上こそが、スマート化の成否を分ける鍵となる。