楽曲が生まれる背景には、ふたりの人間がぶつかり合い、語り合った濃密な時間がある。大橋卓弥と常田真太郎が制作に向き合った当時、テーマとなったのは「もっとも身近な人へ贈る、嘘のない言葉」だった。照れくささから普段は口に出せない感謝の感情を、どうすればメロディという形に変えられるのか。ピアノのキーを叩きながら何度も歌詞を書き直し、真夜中のスタジオで推敲を重ねたプロセスは、まさに自分たちの素顔と向き合う作業だったという。
あえてドラマチックな装飾を削ぎ落とし、言葉の一つひとつに体温を与える作業。そうして完成した「ありがとう」は、単なるメッセージソングを超え、聴く者それぞれの個人的な体験や記憶とリンクする不思議な生命力を宿すこととなった。