竣工からまもなく100年を迎えようとする今、この歴史的建造物をいかにして未来へ残すかという議論が活発に行われている。気候変動や老朽化対策など、維持管理には膨大なコストと技術が必要だ。しかし、地元住民と保存会の地道な努力により、その美しさは今も完璧に保たれている。
近年では、過度な観光開発を避け、文化財としての価値を学びながら入浴を楽しむ「サステナブル・ツーリズム」の目的地として、意識の高い旅行者からの支持を集めている。古いものを壊して新しいものを作る消費型の観光から、歴史を追体験し、その保存を支援する旅へ。片倉館は、その新しい旅のあり方を象徴する場所となっている。