意中の相手に向かって歩き出す男性。誰もがカップル成立を確信したその瞬間、横から飛び出す「ちょっと待った!」の声。あの緊張感は、アルゴリズムが決めたマッチングでは絶対に味わえない。脳内にアドレナリンが駆け巡るような劇的なドラマが、毎週のように素人の手によって生み出されていた。
この予測不可能なカオスこそが、今のSNSショート動画に最も欠けている要素かもしれない。台本のないリアルな奪い合い。フラれる恐怖を乗り越えて叫ぶ若者たちの姿は、スマートに生きることを強いる現代社会への強烈なカウンターパンチだ。