本作において、「年齢」の極致を示したのは前ハンター協会会長アイザック=ネテロだろう。110歳を超えてなお人類最強の個体として君臨し、キメラ=アントの王メルエムと対峙した。メルエムは生まれてからわずか40日足らずの「赤ん坊」でありながら、絶対的な知性と武力を持っていた。
この「100年以上の経験を持つ老兵」と「誕生直後の怪物」の戦いは、年齢という概念を超越した本作のハイライトだった。老いることは衰えを意味するが、同時に狡猾な知恵の蓄積でもある。一方で、若さは無限の可能性と、同時に致命的な脆さを内包する。この対比の描き方こそが、本作を大人の鑑賞に堪えうる重厚な文学へと押し上げている。