医療現場のドキュメンタリーや救急救命センターの報告事例、オンライン上の闘病手記を分析すると、発症直後に自身の症状を心疾患と正しく認識できていた患者は極めて少数派であることが浮き彫りになります。
実際に50代男性の回復記には次のような生々しい記録が残されています。
「朝の通勤中、急に左の背中から肩甲骨の内側にかけて、万力でギューッと締め上げられるような違和感を覚えた。前日にゴルフの練習をしていたため『筋を痛めたのだろう』と自己判断し、デスクワークを続けた。しかし昼過ぎから背中の痛み 圧迫感 吐き気が止まらなくなり、脂汗がシャツを濡らす状態に。同僚に付き添われて救急外来に飛び込んだところ、冠動脈の左前下行枝が99%閉塞しており、医師から『あと30分遅れていたら心停止していた』と告げられた。」
SNSやQ&Aサイトの投稿を検証しても、「背中が痛くて湿布を貼って横になっていたが、次第に呼吸が苦しくなった」「胃痛と背部痛で胃腸薬を飲んで耐えていた」といった事例が散見されます。このように、痛みの発現部位が心臓から離れていること自体が、受診行動を致命的に遅らせる最大の要因となっています。特に背中の痛み 突然 息苦しい感覚を併発しているケースでは、すでに心筋のポンプ機能が低下し、急性心不全による肺うっ血が始まっている危険性が極めて高いため、一刻の猶予も許されません。