全国津々浦々のホールへ自ら足を運び、生のステージで歌うことを何よりも信条としてきた松山千春さんにとって、ツアーの無期限休止は断腸の思いでした。活動休止へと踏み切った背景には、単に「歌えない」というレベルではなく、「2時間を超えるフルパワーのステージに耐えうる心肺機能の確保」という極めてシビアな医療判断がありました。
松山さんのステージは、マイクを離しても会場の最後列まで響き渡る声量と、全身全霊のエネルギーを注ぎ込む魂の熱唱が代名詞です。狭心症の兆候を抱えたまま全国を飛び回る過密スケジュールを続ければ、急性心筋梗塞など取り返しのつかない事態を招く危険性がありました。
「中途半端な歌を聴かせるくらいなら、万全にしてからファンの前に立つ」というプロフェッショナルとしての誇り、そして何より再び力強い歌声を届けるための充電期間として、活動休止という道が選ばれました。