ソンブレロという言葉は、地球上の文化にとどまらず宇宙空間の天体にも冠されています。おとめ座の方向、地球から約3,000万光年の彼方に位置する無棒渦巻銀河「M104(ソンブレロ銀河)」です。
ハッブル宇宙望遠鏡や最新の天体観測機器が捉えたM104の姿は、中央の明るい膨らみ(バルジ)が巨大で、その周囲を均一で濃い暗黒星雲のダストレーン(宇宙塵の帯)が取り囲んでいます。この横から見た断面のプロポーションが、まさに頭頂部が高くつばが広く張り出したソンブレロ帽子そのものに見えることから、この愛称が定着しました。
メキシコの民具が生んだ美しいシルエットが、はるか何千万光年も離れた星々の大集団の形状美を形容する言葉として世界共通で使われている事実は、ソンブレロという造形の完成度の高さを物語っています。