モデルナ製ワクチンにおいて最も世間の関心を集めたのが、2026年8月に表面化した一部ロットへの異物混入事案だ。当時、厚生労働省と流通元の武田薬品工業は即座に調査を開始し、特定の製造ラインで製造された製品の使用見合わせと自主回収を実施した。
当時、モデルナのロット番号で異物混入・回収の対象となったのは以下の3つのロットである。
・3004667(異物混入が実際に確認されたロット)
・3004734(同一ラインの前後ロットとして予防的回収)
・3004956(同一ラインの前後ロットとして予防的回収)
武田薬品とモデルナによる調査報告によると、混入した異物はスペインの受託製造工場(ROVI社)における充填ラインの機器設置不具合により、金属パーツ同士が擦れ合って発生した微小なステンレス片(SUS316)であった。ステンレスは人工関節や医療機器にも使用される素材であり、体内に極微量入った場合でも医学的リスクは極めて低いと評価された。迅速なロット番号の特定と追跡体制により、該当ロットの大半は接種前に使用停止措置が取られた。