ビジュアル先行のブームに見える現象の底流には、言葉の力で人々の魂を揺さぶってきた先人たちの確かな足跡がある。愛媛県・栄福寺の住職であり、エッセイ『ボクは坊さん。』の著者として知られる白川密成氏は、24歳で突然住職を継いだ自身の葛藤や日常を瑞々しい筆致で綴り、映画化も果たすなど大きな話題を呼んだ。等身大の言葉で寺院の日常を語るその姿勢は、後進の僧侶たちに道を示した。
また、宗教学者であり浄土真宗の僧侶でもある釈徹宗氏は、メディアや著作を通じて仏教の知恵を現代の諸問題に鮮やかに接続し続けている。仏教界の知性と人間味を体現する彼らの存在があったからこそ、現代の若手僧侶たちも外見の華やかさだけに甘んじることなく、深い教養と対話力を兼ね備えた「語り手」として社会からリスペクトを受けている。