本作の爆発的ヒットを支えたのは、間違いなく主要キャスト陣の圧倒的な役者魂だ。鈴木亮平は、過密スケジュールの合間を縫って医療器具の扱いを徹底的に身体へ染み込ませ、専門用語が飛び交う長台詞を淀みなく発するまで練習を重ねた。彼の放つ「大丈夫、もう助かります」という声の説得力は、徹底した役作りからしか生まれない重みを持っている。
その喜多見の奔放さを冷徹に締め上げる賀来賢人の抑えた演技も見事だった。感情を押し殺した表情の奥に潜む葛藤と信念。中条あやみは、等身大の弱さとそこからの脱皮を繊細に演じ分け、視聴者の視座を一身に背負った。この三者三様のエネルギーがぶつかり合い、共鳴したからこそ、MERというチームはフィクションの枠を超えて実在するかのような熱量を放ち得たのだ。