物語の引き金となるのは、雑居ビルで発生した凄惨な火災事故だ。解剖室に運び込まれたのは、身元不明の10体の焼死体。黒こげになった遺体を前に、UDIラボの面々は僅かな手がかりをもとに一人ひとりの身元特定と死因の解明に挑む。
全身が焼き尽くされた状態では、指紋も顔立ちも残っていない。死者の生前の足跡をたどる作業は困難を極める。しかし、ミコトたちは諦めない。歯の治療痕、骨の微小な変形、そして体内に残された微細な組織片。語ることのない遺体に寄り添い、真実をすくい上げようとする彼らの姿は、効率やコストが優先されがちな社会における「死者への誠実さ」とは何かを鮮烈に問いかける。
都市の片隅で起きた火災。そこには、社会の隙間にこぼれ落ち、ひっそりと暮らしていた人々が集っていた。事故か、自暴自棄による放火か。世間の無関心と冷ややかな視線が注がれる中、解剖医たちの執念が、闇に包まれた現場の真実を少しずつ照らし出していく。