読者の間で長年議論されてきた「美幸を殺害した真犯人は誰なのか」という問いに対し、原作の伏線回収が進むにつれて浮かび上がったのは、加護の会の信者であり教団内で強い発言力を持っていた蓮田栄を中心とする教団上層部の関与です。
加護の会の実態は、表向きはオーガニックな自然派生活や心の安らぎを謳いながら、裏では信者の資産を巻き上げ、独自の戒律によって信者を精神的にマインドコントロールする典型的なカルトでした。美幸の異食症を「魂の汚れ」とみなし、教団の教義に従わせようとした結果、極限状態に追い込まれた美幸の異変を隠蔽する必要が生じました。
加護の会の犯行動機は、教団の運営基盤を守るための保身と隠蔽です。市村家から多額の布施を引き出しつつ、施設内での美幸の衰弱死、もしくは過失による死亡が外部に漏れれば、警察の介入を招き教団は破滅します。幹部らは美幸の遺体を遺棄・処理し、その罪を教団と対立していた父親・正道になすりつける冷酷な筋書きを実行したのです。