東京拘置所の面会室。傷だらけのアクリル板を間に挟み、受刑者と来訪者は対峙する。限定された時間、監視の目、制限された発言。そんな過酷な環境下で、なぜ男たちは彼女との婚姻を望んだのだろうか。
関係者の証言によれば、彼女の語り口は非常に穏やかで、聞き手に強い快感を与えるという。相手を徹底的に肯定し、特別な存在であると感じさせる殺し文句の数々。塀の中にいる「囚われの女」を自分が救い出し、支えているのだという錯覚。死刑確定囚という重い肩書すら、彼女の手にかかればロマンティシズムを演出するスパイスへと変貌を遂げていた。