国際社会における死刑廃止の波は、もはや一時の流行ではなく不可逆な潮流と化している。人権擁護団体であるアムネスティ・インターナショナルがまとめた2026年の最新統計によれば、法的または実質的に死刑を廃止した国は全加盟国の4分の3を超えた。G7(主要7カ国)などの先進国連合において、死刑制度を日常的に運用し続けているのは日本と米国の一部州のみという極めて特異な状況が浮き彫りになっている。
国際基準が死刑に対してこれほど厳しい態度をとる最大の拠り所が、国連で採択された「自由権規約第二選択議定書(死刑廃止条約)」だ。欧州連合(EU)をはじめとする加盟国は、生命権をいかなる事情があっても侵してはならない絶対的権利と位置づける。国家が合法的に個人を裁いて命を奪うこと自体が、基本的人権の理念と根本から矛盾するという認識が、2026年現在の国際外交における標準的な規範として定着した。