片山氏の底知れない教養の土台には、幼少期の家庭環境が深く関わっています。父親は、フランス哲学や美学を専門とする青山学院大学名誉教授の片山達(かたやま とおる)氏です。
学問と芸術が日常に溶け込んだ家庭で育った片山氏は、幼い頃から膨大な蔵書やクラシックレコードに囲まれて育ちました。父親の本棚にあった哲学書や文学全集を自然と手に取り、ラジオから流れる様々な音源に耳を傾けるなかで、音と文字の背後にある「思想のうねり」を感じ取る直観が養われたといいます。
知性偏重に陥ることなく、美術やサブカルチャーをも等価に面白がる柔軟な批評眼は、こうした豊かな文化的バックグラウンドと、父譲りの知的探究心から育まれたものです。