今回の撤退劇の背景にあるのは、株式会社イトーヨーカ堂およびセブン&アイ・ホールディングス全体で加速する大規模なグループ再編劇である。事業の選択と集中を進める井阪隆一トップの判断は、過酷な市場競争を生き残るための苦渋の決断であった。
従来型の総合スーパー(GMS)モデルは、ネット通販の台頭や専門特化型ショップの追撃を受け、全国的に苦戦を強いられてきた。衣料品や雑貨を自前で抱え込むビジネススタイルからの脱却。これがセブン&アイが打ち出した基本方針だ。その影響が、一連の地方店舗閉鎖という形で一気に表面化したのである。
長年親しまれた店舗が消える寂しさは拭えない。しかし、経営資源をコンビニ事業や主力領域へ集中させる戦略は、株式市場からは一定の評価を得ている。大手流通グループが仕掛けたこの大ナタが、地方都市の商業施設動向に決定的な地殻変動をもたらしたのは揺るぎない事実だ。