法的なメリットが大きい一方で、予期せぬトラブルを引き起こす「落とし穴」も存在する。最も代表的なのが、義理の親族が死亡した際の「代襲相続」を巡る錯覚と、代々の墓や法事を取り仕切る「祭祀承継」の問題だ。
死後離婚を完了しても、自分と義理の親族との関係が切れるだけであり、自分の子供(亡くなった配偶者との間の子供)と義理の祖父母との血縁関係まで消滅するわけではない。将来、義理の親が亡くなった場合、孫である自分の子供には代襲相続権が発生する。また、相続税の計算や非課税枠の適用において、親族間の人間関係が及ぼす影響を正しく理解しておかなければ、予期せぬ課税リスクを背負うことになりかねない。
さらに、亡き配偶者の遺骨をどの墓に納めるか、実家の代々の墓を守る義務を誰が負うかといった問題は、行政上の届出とは別次元の紛争に発展しやすい。法的な関係を切ったからといって、感情的なもつれや遺骨の引き取りを巡る争いが自動的に解決するわけではないのだ。