難関試験を突破したにもかかわらず「食えない」と言われてしまう背景には、業界を取り巻く構造的な変化が存在します。主な要因として挙げられるのが、業務のデジタル化とAIによる代替不安、不動産取引件数の頭打ち、そして新規参入者による価格競争です。
これまで司法書士の売上基盤を支えてきたのは、不動産売買に伴う所有権移転登記や、会社設立時の商業登記といった「定型的な手続き代行」でした。しかし、法務省によるオンライン申請システムの定着や生成AIを組み込んだ契約書・登記書類作成ツールの普及により、単純な代行業務の単価は下落傾向にあります。
かつてのように「提携先の不動産業者や金融機関から自動的に仕事が回ってくるのを待つだけ」という受け身の事務所経営は成り立ちません。営業努力や新たな付加価値を提供できない事務所が売上を落とした結果、ネット上で「司法書士はオワコン」という極端な言説として拡散されているのが実態です。