長年現場を取材してきた芸能記者やコンサート関係者の証言を総合すると、離婚の数年前からバックステージでは張り詰めた空気が漂っていたといいます。ある舞台関係者は当時の様子を次のように振り返っています。
「小松さんはもともと一流のプレイヤーでしたから、ステージの音響や照明、演出に対するこだわりが並外れて強かった。それ自体はプロとして尊いことですが、思い通りにいかないとスタッフに対して怒声を浴びせることも日常茶飯事でした。水前寺さんは誰に対しても気さくで礼儀正しい方ですから、スタッフが怯え、辞めていく姿を見るのが本当に辛そうでした」
さらに、水前寺清子自身がメディアで語った「残された時間は少ない。これからは自分の好きな歌を、笑顔で歌っていきたい」という言葉には、長年の葛藤が滲み出ています。夫婦でありながら「タレントと社長」「雇用主と従業員」という二重構造のなかで、いつしか互いを労わる言葉が消え、業務連絡と叱責だけの関係へと摩耗していった現場のリアリティが浮き彫りになっています。