数え年とは、生まれた瞬間を「1歳」と捉え、以後は誕生日に関係なく「元日(1月1日)」が訪れるたびに1歳ずつ年を重ねていく日本古来の年齢計算法です。一方、私たちが日常的に使用している「満年齢」は、生まれた日を「0歳」とし、翌年以降の誕生日を迎えるごとに1歳加算されます。
両者の決定的な違いは、「年齢が加算されるタイミング」と「起点となる年齢」の2点に集約されます。満年齢が個々人の「誕生日」を軸とした個人単位の時間軸であるのに対し、数え年は正月という「共有の節目」を軸に社会全体で一斉に年をとる共同体基準の仕組みです。
日本国内で数え年が公的な場から退いたのは、法制上の転換が理由です。明治35年に公布された「年齢計算ニ関スル法律」、さらに戦後の1949(昭和24)年に制定され翌1950年1月1日に施行された「年齢のとなえ方に関する法律(昭和24年法律第96号)」により、国民の年齢表記は原則として満年齢を用いることが義務付けられました。同法第1条には「国民は、年齢を数え年によつて言い表わす従来の習わしを改めて、年齢計算に関する法律の規定により算定した年数によつてこれを言い表わすのを常とするように心がけなければならない」と明記されています。しかし、神社神道や仏教における儀礼では、数百年以上培われてきた精神文化として、今なお数え年が大切に受け継がれています。