地方紙やWebニュースなどで「数年に一度の珍事」として報じられることの多いこんにゃくの花。珍しいとされる最大の理由は、一般的なこんにゃく芋の栽培サイクルと生態にあります。
農家が食用として栽培する場合、春に植え付けた芋(生子)を秋に掘り出し、冬の間は貯蔵して翌春に再び植え付けるという工程を繰り返します。出荷に適したサイズになるのは植え付けから2〜3年目ですが、花を咲かせるための花芽が形成されるのは、さらに年月を経て球茎が特大サイズに成熟した4〜5年目以降です。
つまり、花が咲く前の最も栄養が乗った段階で収穫されてしまうため、通常の農地やスーパーの流通ルートに乗る過程で花を目にすることはまずありません。収穫し忘れて土中に残った芋や、家庭菜園で長年放置された個体が十分な栄養を蓄えた時にだけ、突如として巨大な花茎を伸ばします。この極めて限定的な開花周期こそが、全国各地で開花がニュースになる所以です。