江戸庶民にとって、屋台の食べ物はどれほど身近な価格帯だったのでしょうか。当時の庶民が日常使いしていた銅銭「寛永通宝」の単位である「文(もん)」を、現代の価値(1文=約25円〜30円換算)に置き換えて検証してみます。
驚くべきことに、江戸の屋台フードの多くは「16文(約400円〜480円)」がひとつの共通基準となっていました。蕎麦一杯が16文であったことから、当時の屋台蕎麦は「二八(2×8=16)蕎麦」とも呼ばれたという説があるほどです。
・蕎麦(かけ・ぶっかけ):16文(約400円〜480円)
・握り寿司:1貫につき4文〜8文(約100円〜240円 / ネタによる)
・串天ぷら:1串4文〜16文(約100円〜480円)
・おでん(煮込み・田楽):1串4文〜8文(約100円〜240円)
・鰻の蒲焼き:1串16文〜24文(約400円〜720円)
日雇い人足の当時の日給がおよそ400文〜500文(約1万円〜1万5,000円)程度であったことを考えると、屋台の食事は財布に優しく、まさに日常茶飯事として利用できる絶妙な価格設定だったことが分かります。