手作業で記入する以上、書き損じや紛失のリスクは常に付きまといます。しかし、誤った対処法をとると領収書の改ざんを疑われたり、二重請求トラブルに発展したりする危険があります。
手書き領収書の訂正における二重線と訂正印のルールとして、最も重要なのは「金額欄は訂正不可」という原則です。金額を間違えた場合は、二重線で修正してはいけません。その領収書は破棄(控えとともに「無効」と朱書きして保管)し、新しい用紙に最初から書き直すのが会計実務の鉄則です。
金額以外の項目(宛名や但し書きの軽微な誤字)を訂正する場合は、以下の手順を守ります。
- 誤った箇所に定規を用いて黒のボールペンで二重線を引く
- 二重線に重なるように発行者の訂正印(角印または代表者印・担当者印)を押す
- 余白の空いている部分に正しい内容を正確に記入する
修正テープや修正液、消せるボールペン(フリクション等)の使用は「改ざんが可能な状態」とみなされ、領収書自体が無効になりますので厳禁です。
また、顧客から「領収書を紛失したため再発行してほしい」と依頼された際は、手書き領収書の再発行トラブル防止に向けた徹底的な対策が必要です。同じ領収書を単純に再発行すると、旧領収書が見つかった際に経費の二重計上や架空計上に悪用される恐れがあります。
再発行に応じる場合は、以下の3点を徹底してください。
- 新しく発行する領収書の目立つ位置に「再発行」または「再交付」と朱書きする
- 但し書き欄に「◯年◯月◯日発行分の紛失に伴う再発行」と元の領収書番号や日付を明記する
- 可能な限り、相手方に「紛失届書」や受領確認のサインを提出してもらう