では、現場の専門家はどう見ているのか。循環器内科学を専門とし、長年にわたり血圧研究と臨床を牽引してきた渡辺尚彦医師は、「手首式血圧計で正確な数値を得るための鍵は、姿勢の再現性とリラックスにある」と強調する。測定時に手首を胸の高さ(心臓の高さ)に合わせる際、手首を力ませて浮かせると筋肉の緊張によって血管が圧迫され、数値が跳ね上がってしまうのだ。
具体的なコツは、テーブルの上にクッションや専用ケースを置き、腕と手をリラックスさせて脱力した状態で固定すること。また、カフ(帯)を巻く位置は手首の骨の出っ張りから1〜2センチ離し、肌に密着するように隙間なく巻き付けることが欠かせない。測定中の会話や浅い呼吸を避け、静かに1〜2分安静にしてからボタンを押すだけで、測定値のばらつきは驚くほど小さくなる。