冒頭の「ダーリン ダーリン」というフレーズ。一見するとポップで甘やかな響きに聴こえるが、物語が進むにつれてその印象は一変する。ここで歌われる「ダーリン」は、恋人への呼びかけにとどまらない。
「共に過ごした時間」や「お互いの存在そのもの」、さらには「生まれ来る命」への慈しみまでを抱合した、圧倒的な全肯定の情愛だ。「半信半疑で分かち合う」というフレーズが示唆するのは、完璧な理解など存在しない人間同士のリアルな距離感。分かり合えない不安を抱えながらも、それでも惹かれ合い、求め合わずにはいられない人間の業と愛おしさを、桜井和寿は鋭い感性で描写してみせた。