中村中の名を全国区へと押し上げた代表曲が、2006年に発表されたシングル『友達の詩』です。この楽曲は、彼女が15歳の頃、同性の友人に対して抱いた切ない恋心をモチーフに作られました。
「手を繋ぐくらいならいい」「これ以上近づけば友達でさえいられなくなる」という葛藤を描いた繊細な歌詞は、痛切なリアリティを持って聴き手の胸を締め付けます。性別の境界を越え、誰しもが経験したことのある「大切な人を失いたくない切なさ」を描いた普遍的なラブソングとしてロングヒットを記録しました。
この大反響を受け、2007年末の第58回NHK紅白歌合戦へ初出場を果たします。戸籍上男性のアーティストが女性パートである「紅組」のソロ歌手として出場したのは紅白史上初の快挙であり、音楽史に刻まれる歴史的なワンシーンとなりました。圧倒的なエモーションで歌い上げた彼女の姿は、多くの視聴者に鮮烈な感動を残しました。