緑豊かな境内の奥深くには、十勝の歴史を語る上で欠かせない巨星の影がある。晩成社を率いてこの地に足を踏み入れ、帯広の礎を築いた依田勉三だ。「開墾のはじめは豚とちとせ飴」の句で知られる激動の開拓期、過酷な自然条件に抗い続けた開拓者たちの精神的よりどころが、まさにこの場所だった。
明治28年に創建された社殿の裏側には、開拓期に植樹されたと伝わる古木が今も力強く根を張る。過酷な寒冷地での農地開墾は幾多の困難を極めたが、人々は神社へ集い、復興と豊作を祈り続けた。歴史の風雪に耐え抜いた境内の佇まいは、現代を生きる私たちの胸を打つ力強さに満ちている。