変化の引き金となったのは、東京都都市整備局が推進する都市計画道路「補助第26号線」の整備だ。木造密集地域の火災延焼を防ぎ、震災時の避難・緊急輸送路を確保するという防災上の大義名分のもと、アーケードの中央部を幅20メートルの幹線道路が貫く。
この道路計画によって、一本につながっていた屋根は物理的に切り離された。雨の日でも濡れずに買い物ができるという、アーケード商店街最大の強みが削がれることへの懸念は根強い。「防災とコミュニティの維持をいかに両立させるか」。行政と住民の間で長年続けられてきた議論は、道路の着工という現実を前に、新たな共生策を模索するフェーズへ移行している。