1980年代後半、日本のテレビ文化は劇的な転換期を迎える。都市生活者の洗練された恋愛模様を描く「トレンディドラマ」ブームの到来である。その最前線に躍り出たのが石田純一だった。浅野温子や浅野ゆう子ら豪華キャストが共演した伝説的ドラマ『抱きしめたい!』で見せた、素足にローファーを合わせた都会的でスタイリッシュな佇まいは、一瞬で日本中の女性を虜にした。
だが、その華々しい光が強くなればなるほど、私生活へ投げかけられる影もまた濃くなっていった。連日連夜、自宅前を埋め尽くす報道陣。テレビのワイドショーは二人の結婚生活、子育て、そして次第に生じるスキャンダルをセンセーショナルに報じ続けた。過熱する芸能界の欲望の渦は、二人のプライベートな空間を容赦なく侵食し、日常の平穏を奪い去っていった。