戦後政治を語る上で避けて通れないのが、もう一人の怪物・吉田茂との激突である。GHQによる公職追放が解除され、満を持して政界復帰を果たした鳩山と、ワンマン体制を揺るぎないものにしていた吉田。二人の愛憎半ばするドラマは、保守再編のダイナミズムを生み出す最大の火種となった。
親米右派路線を推し進める吉田陣営に対し、自主外交と憲法改正を標榜して立ち向かった姿勢は、結果として戦後日本の双頭体制を決定づけた。権力奪還にかける執念と、失われた歳月を取り戻そうとする情熱。この二大巨頭の衝突が生み出した強大な熱量こそが、その後の半世紀に及ぶ55年体制の骨格を形成したと言ってよい。