映画ファンにとって、彼の原点といえばやはり中島哲也監督の『告白』(2010年)だろう。クラスの空気を不気味に歪ませる中学生役で見せたあの眼差しは、観客の記憶に強く刻み込まれた。少年の無邪気さと狂気が同居するような演技は、当時から「恐るべき新人」と騒がれたが、一発屋で終わることはなかった。むしろ、その才能に甘んじることなく、多種多様な独立系映画で経験を積み重ねてきたことが、現在の揺るぎない土台となっている。
子役・若手時代に早熟な評価を受けた俳優が陥りがちなタイプキャストの罠を、彼は自らの足で巧みに回避してきた。役の大小を問わず、ひとつの作品に深く潜り込む姿勢は、映画製作者たちの信頼を勝ち取る最大の武器となった。10代の頃に見せた尖鋭的な輝きは、30代を迎えた今、成熟した陰影を帯びた深みへと進化を遂げている。