日本が世界に誇る水道システムの根幹には、昭和時代に制定され時代に合わせて改正が重ねられてきた「水道法」が存在する。厚生労働省が定める水質基準は、病原微生物の有無から重金属、化学物質、臭気、味に至るまで、実に51項目に及ぶ厳密な審査項目を設定している。この基準値は世界的に見ても極めて厳格であり、どの家庭の蛇口から出る水も消毒済みであることが法律で義務付けられている。
しかし、近年の日本においても課題が皆無というわけではない。少子高齢化に伴う自治体の水道事業の経営不振や、高度経済成長期に整備された水道管の耐用年数超過が社会問題化している。将来にわたってこの世界トップクラスの安全性を維持するためには、施設の改修費用調達や広域連携など、水道事業の持続可能性を巡る構造改革が急務となっている。