ナマクアフクラガエルや、日本で流通するアメフクラガエル(Breviceps adspersus)を含むフクラガエル科の生態は、一般的なカエルの常識をことごとく覆します。
まず、彼らは泳ぐことができません。水かきは退化しており、後肢には砂を掘るための硬い突起(内蹠隆起)が発達しています。ジャンプ力も皆無に等しく、移動するときは短い手足を交互に動かしてトコトコと歩きます。この不器用な歩行スタイルがファンの心を掴んで離さない大きな理由です。
さらに驚くべきは繁殖生態です。乾燥地帯に適応するため、水場に産卵してオタマジャクシを経由するのではなく、地中の湿った空洞に泡で包まれた卵を産み落とします。卵の中で幼生期を過ごし、最初から小さなカエルの姿で孵化するという驚くべき直接発生を遂げます。寿命は飼育下で5〜10年程度と小型の両生類としては比較的長生きです。