1960年5月22日現地時間15時11分、南米チリ南部バルディビア沖を震源として発生した巨大地震(通称:バルディビア地震)こそが、近代地震計が捉えた観測史上最大の地震です。アメリカ地質調査所(USGS)の公式解析により確定された規模はモーメントマグニチュード(Mw)9.5。これは、日本国内で観測史上最大となった2011年東日本大震災(Mw9.0)の約5.6倍、1995年阪神・淡路大震災(Mj7.3)の実に約2800倍に匹敵する規格外のエネルギーでした。
破壊されたプレート境界の断層長は約1000km、すべり量は最大で数十メートルに及びました。地殻の破壊プロセスは数分間にわたって継続し、沿岸部では大規模な地盤沈降や山崩れが多発。さらに地震発生から約48時間後には、震源域近くのコルドン・カウジェ火山が噴火を起こすなど、地球規模の連鎖反応を引き起こしました。地球そのものが数週間にわたって「自由振動(固有振動)」を続けた事実は、地球物理学界に計り知れない衝撃を与えました。