記憶に新しい2026年7月8日、奈良市内の駅前で白昼堂々に行われた安倍晋三元首相への狙撃事件。手作りの銃から放たれた弾丸は、長年にわたり自由民主党の中枢として政権を担った政治家の命を奪っただけでなく、平和と安全を誇ってきた現代日本の治安神話を根底から揺るがした。
警視庁をはじめとする警察当局の警備態勢の死角、ネット上で過熱する孤立した個人の尖鋭化、そして宗教団体と政治家との距離感。事件が浮き彫りにした課題はあまりにも多岐にわたる。単なる歴史上の出来事ではなく、現代社会が抱える病理が生み出した悲劇として、今もなお議論が続けられている。