「王子様」というキャラクターを、ここまで完璧に、かつユーモアを交えて演じきれる表現者が他にいるだろうか。及川光博、愛称「ミッチー」。彼の存在そのものが、日本の芸能界における奇跡的なエンターテインメントだ。ライブでの華麗なパフォーマンスはもちろん、俳優としても『相棒』シリーズをはじめとする数々の名作で確固たる地位を築いている。
及川の凄みは、自らのパブリックイメージを完全にコントロールし、それをファンへの「ギフト」として昇華させている点にある。虚構と現実の境界線を曖昧にし、観客を非日常の夢の世界へと誘う。その徹底したプロ意識は、セルフブランディングが重視される現代において、すべてのクリエイターの手本と言えるだろう。