彼が初めて舞台を踏んだのは、わずか4歳の時でした。四代目松本金太郎を名乗り、歌舞伎座の舞台で初お目見えを果たした瞬間から、その運命は動き始めていました。小さな体に大きな隈取を施し、堂々と見得を切る姿は、当時の観客に強烈な印象を与えたのです。
幼少期の彼は、遊ぶこと以上に歌舞伎に夢中な少年でした。自宅では隈取の絵を描き描き、歌舞伎の演目を完璧に暗記しては一人で舞台ごっこに没頭していたといいます。父である十代目松本幸四郎の背中を追いかけ、稽古場では大人の役者顔負けの集中力を見せていました。可愛らしさの中に時折見せる鋭い眼差しは、すでに将来の大役者を予感させるものでした。