2001年、芸能史に残るビッグニュースが駆け巡った。30年にわたり「おしどり夫婦」として知られた浅丘ルリ子との離婚発表から、わずか数日足らずでの再婚報道。世間は言葉を失った。電撃再婚のお相手は、石坂浩二が主宰していた劇団に関わりのあった元劇団員の女性で、年齢差は実に22歳。あまりのスピード感に当時は様々な憶測が飛び交った。
だが、その裏にあったのは打算や一過性の情熱ではない。当時、石坂は高齢の実母の介護という現実的な課題に直面していた。多忙を極める俳優業の合間を縫っての介護生活。その過酷な日々を陰になり日向になり支え抜いたのが、現在の妻だったという。献身的に寄り添い、家庭を静かに整えてくれる彼女の存在は、重圧と戦う石坂にとってかけがえのない救いとなった。
結婚から四半世紀近くが経過した今も、夫婦の絆は揺らいでいない。目黒区の閑静な住宅街で、ふたりは派手さを排した穏やかな生活を送っている。妻は一切表舞台に出ず、徹底して一般人としての慎ましいスタンスを貫く。名優が今なお健康で若々しく、ダンディな魅力を保ち続けている背景には、家庭での温かな食卓ときめ細やかな健康管理があるのは間違いない。