海のミルクと称される牡蠣だが、彼らは1日に数百リットルもの海水を取り込み、プランクトンをろ過して栄養を蓄える。このプロセスで、海水中に浮遊する微小なウイルスまで中腸腺と呼ばれる内臓部分に濃縮蓄積してしまうのだ。国立感染症研究所の最新データによれば、ノロウイルスは極めて微量(わずか10〜100個程度)の侵入でも強い感染力を発揮する。
主な症状は、急激な吐き気、強烈な嘔吐、水様性の下痢、そして発熱だ。潜伏期間はおよそ24〜48時間。平穏な日常が一変し、上からも下からも激痛に襲われる壮絶な症状に見舞われる。「体質的に当たらない人がいる」と言われることもあるが、感染症専門医によると、血液型(特にABO型抗原の発現状況)や腸内細菌叢の違い、あるいは過去の感染による免疫の有無が影響しているとされる。だが、決して油断は禁物だ。型が異なれば誰であっても食中毒を発症するリスクを潜ませている。