万が一、生牡蠣を食べた翌日以降に激しい悪寒や胃痛、激しい下痢に見舞われた場合、自己流の対処は病状を悪化させる引き金になります。
【自宅での応急処置:やっていいこと・悪いこと】
最も避けるべき行為は、市販の下痢止め(止瀉薬)をすぐに服用することです。下痢は体内の病原体や毒素を体外へ排出しようとする生体防御反応。無理に下痢を止めると毒素が腸内に長くとどまり、症状の長期化や重症化を招きます。
自宅療養の基本は脱水症状の防止です。吐き気が落ち着いたタイミングを見計らい、水分と電解質を同時に補給できる経口補水液(OS-1など)やスポーツドリンクを、人肌程度の温度でスプーン1杯ずつこまめに摂取してください。冷たい水を一気に飲むと胃腸を刺激し、再び嘔吐を誘発します。
【医療機関(内科・消化器内科)を受診すべき危険なサイン】
健康な成人の場合、ノロウイルスによる胃腸炎の死亡率は極めて低く(0.01%未満)、2〜3日の対症療法で軽快に向かいます。ただし、以下の症状が見られる場合は速やかに病院を受診してください。
- 水も受け付けず、半日以上排尿がない(重度の脱水兆候)
- 便に明らかな血が混じっている(血便)
- 38.5℃以上の高熱が続き、意識が朦朧としている
- 慢性肝疾患(肝硬変・肝炎など)や免疫不全の持病がある
肝疾患を持つ方が夏場に生の魚介類を摂取した場合、稀に「ビブリオ・バルニフィカス感染症」を引き起こすリスクがあり、この場合の死亡率は50%以上に達するため、一刻を争う救急医療が必要です。