まず大前提として、生姜と新生姜は別の植物ではない。同じショウガ科ショウガ属の根茎であり、収穫時期と保存処理の違いによって呼び分けられている。
新生姜は、植え付けから約4〜5ヶ月後の夏から初秋にかけて収穫される。地上部が青々としている段階で掘り起こされるため、根茎はみずみずしく、表皮は薄くて白い部分が多い。繊維が柔らかく、指で押すと簡単に傷がつくほどデリケートだ。一方、一般的に「生姜」として通年流通しているものは、新生姜をさらに土の中で育て続け、地上部が枯れてから収穫した「根生姜(ひね生姜)」である。収穫後に一定期間貯蔵され、水分が抜けて皮が厚く硬くなり、辛み成分が凝縮される。
農林水産省の作況調査および主要産地(高知県・熊本県・茨城県など)の出荷データによると、新生姜の出荷最盛期は8月から10月に集中する。対して根生姜は貯蔵技術の発達により周年供給が可能で、価格も季節による変動が比較的小さい。
つまり、「新生姜=季節限定のフレッシュ食材」「生姜=貯蔵されたオールラウンダー」という整理ができる。この構造的な違いが、辛みや栄養、保存性にそのまま直結しているのだ。