かつて放送事故は、その瞬間にテレビを見ていた人々の「目撃談」として記憶されるに過ぎなかった。しかし、現代において事情は一変した。放送中の僅か数秒間のトラブルがリアルタイムで録画され、X(旧Twitter)やTikTokなどのプラットフォームに即座に切り抜き動画としてアップロードされる。
「腹筋崩壊」「放送事故発生」といったセンセーショナルなハッシュタグとともに拡散される動画は、数時間で数百万回再生に達することもある。番組側にとっては一瞬のミスであっても、デジタルアーカイブとして半永久的にインターネット上に残り続ける恐怖。現代の放送事故は、放映終了後も収束しない「二次災害」のリスクを常に孕んでいる。