最初から恵まれた環境があったわけではない。横浜隼人中学・高等学校和太鼓部は、有志が集ったささやかな同好会として産声を上げた。防音設備の制限や練習器具の不足など、立ち上げ当初は数々の壁が立ちはだかっていたという。
しかし、生徒たちの情熱は道具の不足を補って余りあるものだった。一打一打に対する妥協のない姿勢と、伝統的な和太鼓演奏に現代的なアンサンブルの緻密さを融合させる独自のスタイルを模索。地道な基礎練習の積み重ねが、やがて県内のコンクールで注目を集める原動力となった。
数年のうちに同好会から正式な「部」へと昇格を果たすと、演奏の精度は飛躍的に向上。神奈川県大会での金賞常連校となり、全国の強豪校と肩を並べる存在へと急成長を遂げたのである。