なぜ不適切な取り締まりが繰り返されるのか。その最大の元凶は、署間や部署間で激しく競わされる極端な評価システムだ。交番勤務員から自動車警ら隊に至るまで、月ごとの検挙数や補導件数が警察官個人の査定や昇進に直結する仕組みが根強く残っている。
「とにかく何でもいいから数字を作れ」。現場にはそうした目に見えない強烈な圧力が常にかかっている。結果として、根拠のない長時間の任意同行、誘導尋問による供述の作為、さらには不当な車両検査といった違法捜査の疑惑が常態化する。ノルマ達成という目的のために手段が正当化され、適正手続きの原則が完全に形骸化しているのだ。