新体力テスト(文部科学省実施)の必須項目である20mシャトルランは、有酸素運動能力(最大酸素摂取量=VO2max)を測定する種目です。しかし、一般的な長距離走と決定的に異なる点があります。それは「20mごとの急激なストップ&ゴー」が存在することです。
人間の身体は、一定速度で走り続ける「等速運動」ではエネルギー消費を抑えられますが、時速0kmからの加速と、急ブレーキによる減速を繰り返すと、太もも前部の主働筋(大腿四頭筋)へ強烈なエキセントリック収縮(伸張性収縮)がかかります。これが乳酸や代謝副産物の蓄積を招き、脚が動かなくなる直接の引き金となります。
「息が切れて走れなくなる」と感じている人の多くは、心肺機能の限界よりも先に、無駄なブレーキ動作によって下半身の筋疲労を起こしているのが実態です。この力学的ロスを最小限に抑えることこそが、疲れない走り方の第一歩となります。