アメ横周辺には数多くの飲食店がひしめき合っていますが、その中でも肉の大山が放つ引力は突出しています。店頭に掲げられたメニュー看板を見れば、誰もが一度足を止めずにはいられません。名物の揚げ物が並ぶショーケースには、ワンコイン前後で手に入る総菜がずらりと並び、いまや物価高騰が日常となった情勢下でも、驚くべき庶民派価格を維持しています。
この驚異的な価格設定と圧倒的な鮮度を可能にしている最大の根拠が、母体である食肉卸「株式会社大山」の直営体制です。長年培ってきた流通ネットワークと目利きの技術により、上質な食肉を中間マージンなしでダイレクトに店舗へ供給。さらに、同店は東京都内で肥育された希少な黒毛和牛「東京ビーフ」の正規指定販売店でもあり、大衆的な大衆酒場の枠に収まらない肉質の良さを根本から担保しています。
仕入れた肉を余すところなく調理に活かす循環構造ができているからこそ、薄利多売の立ち飲みスタイルと、本格的なステーキやハンバーグを提供するレストラン営業が高い次元で両立しています。「安かろう悪かろう」とは対極にある、歴史に裏打ちされた卸問屋の誇りが、アメ横を訪れる呑兵衛や観光客の心を掴んで離さない最大の理由です。