日本の油脂加工業における技術革新は目覚ましい。物理的な乳化安定性を高め、水滴の中に油を散乱させる技術や、酸化を防ぐ不活性ガス充填技術が日々進化を遂げている。しかし、いくら製造技術が優れていても、家庭での保管環境までをコントロールすることはできない。
最新の衛生動向において、厚生労働省が示すガイドラインでも油脂類の自動酸化とその毒性への警戒は維持されている。現場の食品衛生管理者は「マーガリンは水分を含んでいるため、純粋なサラダ油よりも微生物汚染と油脂酸化の両面で管理が必要だ」と指摘する。見た目にカビが生えていなくとも、化学的変質が進んだ油脂は食の安全を脅かす。