実際に育った長女は、音楽ではなくアートやイラストといった造形の分野で独自の感性を磨き、クリエイターとして自立している。山下達郎自身、毎週放送されている自身の看板ラジオ番組『サンデー・ソングブック』の中で、ごく稀に娘との日常や家族旅行の出来事を穏やかな口調で語ることがある。
竹内まりやもまた、子育ての時期には音楽活動を大胆にセーブし、家庭での時間を何よりも重んじる生活を送ってきた。偉大な両親を持ちながらも、特別扱いされることなく「普通の生活感覚」を注がれて育った娘に対し、夫妻は一人の自立した人間として深い信頼を寄せている。後継者としての重圧をかけることなく、娘の選んだ道を静かに見守る温かい親子関係がそこにはある。